大学四年間、ひとつの事務所に所属し、ホテル業界で働いていました。
華やかな都内の老舗ホテルの数々、あらゆる業種の会社や団体主催のパーティー。毎週沢山の人や場所を見てきたことが、今のわたしの仕事に、大きな影響を与えています。
涼しくなり、連休も続き、お出かけしたい気分の方も少なくないと思います。
旅行業界のどなたかの企画があたったのでしょう(素晴らしい!)、神奈川県内もずいぶん、観光に訪れて下さる方が、増えました。
そしてそれと共に、わたしがひどく残念に思うことが、最近あります。
それは、急激に人が増えたとある観光地の(パートタイムジョブらしき)売り子さんの態度が、あまり良くないこと。
わたしは、接客が好きです。大好きです。ですので今まで選んできた職種は全て、人と接するものです。
我が家は父はサラリーマンでしたが、祖父母はどちらのうちも接客業でしたし、それを見て育ちました。性格的にも人とお話しすることが好きで、全く苦ではありません。
ですので日頃、ものすごく見ています。どのお店でも知らずのうちに人を、ものすごく観察しています。
そして残念ながら、「接客が大嫌いなのに接客業に就いている」人が多数います。
オーナーは、別です。例えばモノづくりが好きな素晴らしい職人さんに、愛想まで期待することは酷ですし、買いたいこちら側が頭を下げて然りとわたしは思っています。
しかし、もしもわたしがオーナーで、例えば和菓子職人だったとしたとき、自分が0から立ち上げたお店で、自分が魂こめて作った作品を、「この和菓子を、食べて欲しい。そして食べた人が幸せを、感じて欲しい」という気持ちで作ったものを、「観光客が多くてうんざり」という気持ちで、雇った方に売られたら?
…たまったもんじゃ、ありません。
あなたは0から会社を築き上げ、定額の家賃を毎月払い、日々変動する売り上げの中から、毎回変わらない賃金を生み出すことが、どれほどすごいことなのか、想像が出来ますか?
わたしは、愛想が良い人、感じ良く出来る人がよい、と言っているのではありません。元の性格やキャラ、環境から形成された、あれは一種の能力です。
そして愛想がない人、接客が向かない人には必ず、その事が活かされる職場、それが「能力」としてオーナーや取引先から喜ばれる職場が、必ずあるのです。
ブックオフを創業者から引き継いだ女性社長は、パートでブックオフに入り、そこから社長まで、上がった方でした。
「パート先、アルバイト先、いつ辞めてもいいし」。人が0から作り上げた大切な場所で、自宅から近いから、条件がいいからという理由で、自分には合わない職種で嫌々働くほど、周囲に迷惑な行為はないと、わたしは考えています。
そしてそういう人に限って必ず、「職場のグチ」を抱き、口にするのです。
更にマニアックな話になると、「精いっぱいやらせて貰う」という気持ちで働くのと「自分を認めて貰う」、すなわち承認欲求のために頑張るのは、大きく異なります。後者は仕事が出来ても、周囲の人にストレスを与え、ひどく、追いつめます。
では、どうしたら自分に合う職種、自分が周囲から認められ感謝され、やりがいを感じ楽しく働ける場所、あなたが輝く仕事、を見つけられるのでしょう。
その答えは、「自分を徹底的に、知ること」。そんなお手伝いを日々喜んで、しております。
人は誰もが宝の様な個性と才能と可能性を、持っているのですから。
湘南the evening Star