秋の匂いがする風は早かったのに、暑さは変わらない9月。皆さんいかがお過ごしですか。この8月から9月にかけ、大きな切り替わりとなる人も、少なくない筈です。わたしもそのうちの一人です。
夏の始め、付き合いの長い男友達とお酒を飲んでいたとき、「男は皆、マザコンなんじゃないの?」と聞かれました。彼は10代の頃から「かあちゃん大好き」を公言し、家族や一族のルーツをとても大切にする男で、大手飲食企業のカリスママネージャーです。
「マザコン」と「お母さんが大好き、大切にしている」は、大きく異なるのです。
後者は一度、お母さんの価値観や生き方と自分を断ち切っているのに対し、前者はずっと「お母さんが可哀想、助けたい」と思っている(正確には、思い込んでいる)状態です。
お母さんはお父さんなり、同居していたお姑さん(つまりおばあちゃん)なりの、被害者である。そして、自分は子どもだったから、充分にお母さんを救えなかった。
この「不完全燃焼感」を抱いたまま、現在の生活や人間関係、仕事に程度の差はあれ影響が出るほどこじれているのが「マザコン」です。
これは一見、優しい様に見えますが実は、「お母さんにはお母さんの、人生がある」と認めていないことになります。
そしてこのマザコンを引きずっていると、恋人や配偶者といった異性のパートナーはもちろん、職場での女性等、方々の女性関係で、上手くいっていない可能性があります。
何故なら、「自分の母親は頑張っていた、お前ももっと頑張れ」という思考が、無意識に全ての女性に対し、働くからです。
一方、「お母さんと自分は別の人間、別の人生」と健全に「大人に」なっている人は、自分特有の価値観、自分だけの人生を大切に出来るので、お母さんに対しても本当の意味で「感謝」が出来、大切にすることも出来ます。
「お母さんも未熟で悩みがあった1人の人間で、彼女には彼女の学びがあるのだ」と客観視が出来るからです。
結果、母親の価値観や人生に囚われず、またそこにエネルギーをいつまでも取られないので、豊かな生活を送ることが出来ます。
自分のパートナーや周囲の女性とも、円滑に付き合うことが出来ます。
どちらが良いか、というよりはどちらが自立した大人であるかは、一目瞭然。何よりも自分が、楽なのです。
秋の夜長、虫の声を聴きながら、皆さまぐっすりと眠られますように。
湘南the evening Star