立春を跨ぎ、久々に静かに燃ゆる内なる炎を感じております。同じ感覚を、同じこの時期に抱いている方、もしくは年度末に向け、立ち上がる必要があるリーダーの皆さま、心共に。
わたしの周りには、「家を継がなかった長男」がゴロゴロ存在します。父親から始まり、パートナーまで。もちろん、クライアントさんにもです。
そしてこの、「継げなかった」という自分を責める想いは、驚くほどに、自分と、自分以上に周囲の大切な人を、攻撃いたします。
あなたの大切な娘さんが、この「長男マインド」に陥り、男性パートナーも作らず、ひたすら家にいて、やりたいことも諦めてしまっていたら、あなたは、どうしますか?しかもそれは、無意識で。
好き好んでそれを選択している様に見えるでしょう。でもそれが、あなたの自責の念のせいの場合、一体どう責任を、取りますか。
そしてわたしは、数多くの「長男マインド」に陥ってしまわれた女性を、見て参りました。
自分を特別可愛がって下さったお父様やお祖母様を大切に思う、人一倍優しく気遣いが出来る女性、弟さんやお兄様が繊細で、「自分が頑張らなければ」と背負う、責任感がある女性が、多い。
そもそも鈍感でしたら、こんな家族や一族の想念に、気付きません。一時話題になった「鈍感力」は、立派な能力なのです。
セッション中に解決出来ることがほとんどですが、
例外も一度あり、ある方には、グループワークを主催する、大変その腕前に信頼を寄せる心理療法家の仲間を、紹介いたしました。何故なら彼女は、その親の期待である「長男マインドの押し付け」を、自力で若いうちに蹴破っているからです。
私の祖父の時代は、戦争で多くの家が、長男を失いました。我が一族の場合、長兄を失わなかったのは、父方の祖母のみです。
また、時代の変換期、「そんなものより大切なものがある」と、誰もが知っていました。
誰かが始めた家業は、誰かの人生や心身を犠牲にしてまで、継がなければいけない、ものですか。
もちろん、国や伝統を背負って、それがご自身の魂の目的とリンクし、活躍されている方は数多くいますし、その様な方は、沢山の人々の尊敬を集めています。
ヤマト運輸やタカキベーカリーを始め、自身のやりたいことやお役目とそれが合致し、家業を継ぎ、更なる社会貢献を実現し、一族のミッションを脈々と受け継ぐことで、沢山の人のお役に立っている「継いだ方」が大勢いらっしゃることも、事実です。
ちなみに、継がなかった自分を責める想いがない方、昇華されている方は、強い。だって、敷かれたレール以上の道を、自力で見つけたのですから。こういう方は、自分の道で人一倍、輝き活躍されている筈です。
馬鹿馬鹿しい負の連鎖を断ち切り、全ての人がその人らしく、輝きますように。
2020/2/14
湘南the evening Star
Sami Kaneko