黄砂でアレルギー反応が出てお辛い方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今日は、わたしが数々のセルフ人体実験を経て、まとめた花粉症対策を、お伝えしたいと思います。
わたしは自分の数十年にわたる花粉症歴より、花粉症により引き起こされる症状がときには「インフルエンザや酷い風邪よりもタチが悪いな」と苦しむことが、何度もありました。他の病気や怪我、疾患と重なったときには更に、皆さん辛い思いをされていると感じます。あの苦しさ、煩わしさは、経験した人にしかわかりません。また、ご自身のお子さんが花粉症で、なるべくお薬に頼りたくない保護者の方もいらっしゃるでしょう。この記事が、どなたかのお役に立てたなら幸いです。
わたしの花粉症発症は、忘れもしません、十六歳になる年の春、つまり四月。高校の入学式に向かう道すがらでした。同じ中学出身の友人と歩いていて、ムズムズして鼻水が出たこと、「これは花粉症ではないか」と思ったことを、思い出せます。それから、わたしの長く続く花粉症生活は始まりました。
高校時代は、耐えられないほどの酷い症状や薬を飲んだ、という記憶がありません。鼻水が普段より出て目が少し痒い、毎年その程度だったのだと思います。
次の花粉症の記憶は、大学生になった五月。あまりの酷さに耳鼻科へ行き、鼻洗浄と吸引、薬を処方して貰い、その薬が体質に合わなかったのか、気付いたら眠りについてから丸一日過ぎていました(家族も起こしてくれ笑)。そのとき感じたのは、目の痒みはあまりないな、という感覚。
そのかわりわたしが酷かったのは、咳です。気管支炎になりかけている、と言われました。当時かかりつけの内科医の先生、耳鼻科の先生両方に診て頂きましたが、人により、咳が出る体質の人もいるそうです。血液検査の結果原因は、カモガヤ(イネ科の雑草)メインに反応するアレルギー。スギやヒノキといった一般的な花粉ではないので、他の人と症状が出るシーズンが、ずれています。ちなみに、高校時代と比べ、目の痒みが少ないのには、思い当たることがありました。コンタクトレンズです。大学生になってから、使い捨て1dayタイプのコンタクトレンズをわたしはずっと使用しています。これとこの為に目薬を一日に数回さすことが、アレルギー反応が目にあまり出なくなった要因のひとつだと感じています。
我が家は母親が、軽い風邪くらいでは病院へ連れていったり市販薬を飲ませたりしない家でした。家庭の薬箱で出番があったのは、胃痛の時に飲む熊の胆位で、それ以外には、所謂自然民間療法、母が作るカリンの蜂蜜漬けやネギと生姜を細かく刻んだ熱い味噌汁、九州に住む父方の祖母がドクダミでチンキを作って送ってきたりしましたし、埼玉の祖母も孫に熱が出ると、かなり熱く熱した深谷ネギを強引に首に巻いてきたりしました笑。
わたしの花粉症はその後の会社員時代も、毎シーズン五月の連休明けから六月の梅雨入りまで、一ヶ月と少し続き、その季節になると、耳鼻科で鼻洗浄と吸入をし、薬を処方して貰っていました。ちなみに、当時の気候は現在とは大きくずれており、近年の発症は立春あたり、二月・三月と早いです。住む地域にもよります。
そんな家に育ち、あまり薬を飲まずに育ったわわたしは、花粉症シーズン中、毎日毎日薬を服用することに不安を感じました。また、もしも花粉症以外に何かがあったときの場合、他の薬との飲み合わせは?等も気になりました。
かかりつけ医に当時そのことを相談しましたが、「このシーズンだけなので大丈夫」と言われ、安心してシーズン中、辛いときには薬を飲みました。実家にいた頃は、この信頼出来るホームドクターが近くにいらっしゃり、そのことに感謝しています。その先生は数年前に引退されてしまい、母はホームドクターを失ったことに嘆いています。滅多に医者にかからない母ですが、「わたしは池上先生だったら、例え誤診で見逃しの癌で死んだって、悔いはない」とまで断言し、信頼を寄せていました。(もちろん誤診なんてありませんでした。患者からそこまで言われるなんて、見上げたプロです。この先生が、機嫌が悪かったり元気がなかったりすること、患者を馬鹿にする様な話し方をした事は、一度もありませんでした)
わたしの花粉症症状の中で、いちばん気になったのは咳です。会社員時代は仕事に支障が出るのはもちろん、そもそもいわゆる一般的な、風邪が流行る時期・スギヒノキ花粉症シーズン(一月下旬〜三月初旬)から当時ずれていましたし、咳をしている若者を見て、「あの人、花粉症なんだな」と思う人は少ないでしょう。高校時代の様に、鼻水とくしゃみ、わずかな目のかゆみのみの症状でしたら、薬を服用せずに我慢出来たかもしれません。
毎年のルーティン的に落ち着きを見せていた花粉症が再び爆発したのは、20代後半にカリフォルニアに移住した春先でした。三月か四月だったと思います。実は引っ越し前、インターネットでカリフォルニアベイエリアの情報を収集していたわたしは、「先に住んでいた友人が言っていた通り、こちらへ来たら花粉症がなくなった」という意見を目にしていました。その方の考察は、「こちらにはアレルギーの元となるスギヒノキが生えていない」という、かなり説得力のあるものでした。わたしは「ふーん、花粉症がなくなるんだ‼︎ますます楽しみ」と、花粉症に対し何の準備もなく、渡米したのです。
悲劇は急に春めき、沢山の花々が一斉に咲き出す頃に起こりました。今までに経験したことがない鼻水、鼻詰まり、咳。呼吸困難に近いです。慌てて日本人ドクターの元へ駆けつけましたら、この名前の薬を薬局で買うように、と。今はわかりませんが、当時アメリカは、ドクターから薬の名前を書いたメモや空き箱を渡され、それを手にドラッグストアへ買いに行くシステムでした。薬の名前はClaritin。その後花粉症ハイシーズンになると、「Claritin♪」と、陽気な音楽と花々の映像と共に、TVCMが流れていたメジャーな薬です。そして飲んだら丸二日、目覚めませんでした。(夫も起こしてくれ)更にこめかみが重く鈍痛がし、素人心にも、この薬のまず分量が明らかに自分の体格・体重に合っていないことが判ります……。どうして⁈カリフォルニアに来たら花粉症が全くなくなった、と、あれは一体……そこまで考えてやっと気がつきました。そうです、わたしのアレルギー反応のメイン花粉は、スギヒノキではなく、カモガヤ。つまり、雑草です。恐らく日本より気候が良いカリフォルニアには、日本よりもイネ科の雑草がわんさか種類あり、日本にいたときよりもわたしの体が、様々な種類の花粉に反応したに違いありません。慌ててドクターに薬が合わなかったことを話し、別の薬を教えて貰い購入してみましたが、それも、日本で飲んだ花粉症用の薬では経験のない、鈍い頭痛がします。
わたしは日本製の市販薬を試し始めました。人体実験し、いちばんわたしの体質に合っていたもの……つまり、咳や鼻水といった症状が治り、なおかつ頭痛や眠り猫の様な状況に陥らないもの、それはプレコール鼻炎カプセルでした。
日本にいた頃は、医師から処方された薬を飲んでいたため、市販薬を服用したことはありませんでした。しかしこのプレコールはわたしがそれまで飲んだどの花粉症用薬よりも、わたしの体質に合っていました。異国でのパニックに近い花粉症、そして強過ぎる薬による騒動の中、どれほど心強かったか。日本に帰国してからも、花粉症シーズンにはお守り代わりにしばらく持ち歩いていた薬です。今でもなるべく西洋薬を口にしないで済むなら口にはしないわたしですが、これを開発下さった方には、深くお礼を申し上げます。
その後アメリカに長く住む友人から、「ハーブ注射を自分は打っている」と聞きました。彼女の説明だと、それは、自分の体内に花粉症シーズン中花粉を入れて、反応しなくなるという療法だということです。彼女も自然療法に大変関心が強く、ある日彼女の紹介で、Elephant pharmacyというドラッグストアを訪れました。友人は当時、日本ではまだあまり知られていなかったホメオパシー薬をそこで購入したりしていました。そこは無料の親子ヨガのクラスを行っていたり、素晴らしい場所でした。ちなみに後にも先にも、その当時のヨガティーチャー以上にエネルギーフィールドが整った素晴らしい方を、見たことがありません。彼女は常に微笑んでいて、光を放ち、とてもチャーミングでした。
ハーブ注射の話から、体内に花粉を入れる、というヒントを得たわたしは、その後シアトルのファーマーズマーケットを訪れたときに初めて出会ったBee Pollenというもの購入し、少しずつ食べることにしました。それは黄色いビーズの様な、大変美しいものでした。いわゆる花粉荷です。日本に帰国後も、山田養蜂場さんで購入することが出来ました。
日本へ帰国した年の花粉も凄かったのを覚えています。その年は花粉飛散量が多かった様です。近所の耳鼻科で鼻洗浄と吸入をし、処方薬を服薬しましたが、やはりわたしの体質には、市販薬であるプレコールの方が合っていました。その後友人から聞き、漢方を処方して下さるお医者さまにかかり漢方薬も試しましたが、こちらは鼻はぐずぐずする程度に緩やかですが、そのシーズンは西洋薬を服用せずに済むくらいには、症状は緩和されました。
母親の影響もあり、20代の頃、わたしはかなり健康志向の強い若者でした。中学高校と運動部で、その頃お世話になった整骨院が素晴らしい先生方だったこともあり、その後も何かあれば、西洋医学ではなく整体等手技の先生に頼りましたし、都内に通う会社員になってからは身体と心の健康を痛感し、愛読書は日経ウーマンhealthでした。それと同時にTarzanの女性版やサーフ雑誌を読み、たまにジムに通い、プールで泳ぎ、夏は海でボディボードを、冬は山でスキーやスノーボード、当時インド→カリフォルニア経由で人気の出始めていたヨガ、バランスボールトレーニング、それらを緩やかに生活に取り入れていました。
カリフォルニアでこの酷くなった花粉症と、農薬たっぷりの野菜で今ひとつ体調がすぐれないという痛い目に遭い、その後食料品はほぼオーガニックスーパーであるWhole foodsでのみ買い物をする様になり、帰国後に出来た友人から漢方薬を勧められたことから、わたしの探求心に火がつきました。
その頃知り合った方に、今では広く知られる自然療法で、野菜を作る女性がいました。その方が毎週ランダムに届けて下さる季節の葉物野菜を、これまたその季節に出回るフルーツと一緒にグリーンスムージーにして朝飲み始めたところ、なんとその一年、全く花粉症の症状が、出なかったのです。当時湘南に、たまたま同じベイエリアに出張で出入りをしていた男性が、ご自身が畑をやりながら、ジュースバーを開店させました。お店自家製のジュースと玄米菜食メニューを出すお店でした。当時、カリフォルニアでは散々見かけたJAMBA juiceの様なジュース店で、日本ではまだ珍しいものでした。その代わりに、JR駅構内にはまだ、昔からあるフレッシュジュース店があり、健康志向のおじさんたちが朝から美味しそうに立ち飲みしていたのを、見かけました。昭和から平成の働きマンの健康を支えたのは、駅構内のフレッシュジュース店や、バナナシェイクを出す喫茶店だったのかもしれません。
花粉シーズン前からの、ゆるい玄米食・ゆるい菜食・スムージー。わたしの花粉症薬の服用は、一切必要なくなりました。それでも花粉の飛沫が例年より多いと感じる年、わたしは更なることを発見しました。「花粉は飛んできて、目や鼻、喉といった粘膜に入る。だったら、その手前で止めてしまえばどうか?」
肌を保湿することで、ガサッとした皮膚の凸凹に花粉が付着することを防いだ上に、ハエトリガミや○○とりの様にペタッと、花粉のそれ以上先への侵入を防ぐ。その2つが目的です。当然、冬場や春先乾燥しがちなお肌にも良い習慣となるという、副産物もついてきます。
これは同じく重度の花粉症だった母が、花粉シーズンに馬油を鼻の中にくりくりと塗っていた光景を思い出し、それをヒントに考えつきました。
わたしはミツロウクリームに、花粉症に効くペパーミントのアロマオイルをたらし、口の周りや目の周りに塗りました。ペパーミントは、目の下には刺激が強すぎたので、ユーカリオイルに変えました。これは劇的に効果があった上、肌の乾燥を防げるという嬉しいおまけもありました。ラベンダーオイルやカモミールオイルを使用すると、お花の香りに癒され、香水の様な効果もあり、気分まで良くなります。ペパーミントやユーカリは、やる気を出したい、鼻詰まりでぼんやりとしてしまう意識をしゃっきりさせる効果がありました。
あとは断食です。花粉シーズンの一ヶ月ほど前に、無理のない範囲で一度、行います。冬に溜まった毒素をデトックスし、春向けに新しい身体を、リニューアルするイメージです。こちらは、初めての方はプロが開発したデトックスプログラムに沿う事を強くお勧めします。自己流は絶対に危険です。
そして斎藤糧三先生の『サーファーに花粉症はいない』を拝読し、わたしが取り入れたのが、ビタミンDです。これは日光浴が一番なのですが、花粉症が始まる前は寒い季節ですし、難しい場合は、ビタミンDサプリメントを摂取します。
これらでわたしは、花粉飛散量が多くない年・自分に毒素が溜まっていない年は、漢方も含め一切の花粉症用の薬を服用せずに済む様になりました。
もちろん花粉の種類や人によっては症状、体質等異なりますが、わたしが沢山の方から花粉症に有効な情報を戴いてきた様に、わたしの体験もどなたかのお役に立ち、あなたらしさをより発揮出来るお手伝いとなれば、これ以上に嬉しいことはありません。
まとめると、下記の通りです。
わたしの花粉症対策
①-③自分の花粉症シーズンが始まる一ヶ月位前から行う。
①軽いファスティング(断食)。目的は、冬の間に溜まった毒素を排出し(デトックス)、春に向け一度自分の身体をリセットする。イメージ的には内臓、主に大腸等を綺麗にする感じで、普段の食事も生野菜やフルーツ、玄米や野菜のお惣菜を意識する。
②グリーンスムージーを朝摂る。その季節の苦い葉物野菜+季節のフルーツ。出来れば自家製がベスト。その際なるべく、生活している場所の近くで採れた野菜を使うこと。
③ビタミンDサプリメントを摂取。
④冬場、なるべく薄着で日に当たる。日光アレルギーがある人、シミ等に気をつけなければいけない人は自分の体質やドクターと相談。時間や体質、日を浴びる場所等は臨機応変に。
⑤シーズンが始まったら(もちろんその前からでも)目の周り、口の周り、デコルテをかなり保湿する。ミツロウクリームやオイル等、ベタッとするテクスチャーのものに、花粉症に良いアロマオイルをたらす。(ペパーミント・ティーツリー・ユーカリ・ラベンダー・カモミール)好みのもの、体質に合うものを。目元にはペパーミント・ティーツリーは刺激が強すぎます)顔に塗布して余ったクリームやオイルは、手に擦り込みます。手もガサッとしていると、花粉がそこに付着し、その手で顔を触ると花粉が粘膜に入りやすいイメージです。
花粉症の症状がまだ出ていた頃は、アロマオイルを使ったルームスプレーを作ったり、空気清浄機や空気清浄効果のあるオイルランプも使用していました。これらも有効です。
後は、布製マスクやタオル類はこまめに洗うこと、髪に花粉が付くので、シーズン中なるべくお風呂に毎日入ること。更に徹底した方は、メガネやサングラスをしたり、ツルッとした素材のスプリングコートをシーズン中着るそうです。手袋ももちろん、有効だと思います。つまり、家の中に花粉を持ち込むことをなるべく防ぎます。
ちなみに、この花粉症対策は、感染症予防になるという嬉しいおまけがついてきます。我が家は子供が小さかった頃から、ノロやロタ、インフルエンザが家庭内で蔓延したことが、一度もありませんでした。
あなたが健康でいる事により、あなたらしさをこの地球上で存分に発揮出来ますように。
湘南the evening Star